2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧
磯城島(しきしま)の 大和の国に 人二人(ひとふたり) ありとし思はば 何か嘆かむ 現代訳 磯城島(しきしま)の大和の国に、あなたのような人が二人いるのだと思えるなら、私はどうしてこれほどまでに嘆くでしょうか。この国に、あなた一人しかいないから…
奈良県桜井市・谷の高台に、静かに広がる小さな平地がある。紅葉の落ち葉が一面を覆い、風が吹くたびにさらさらと音を立てる。遠くには大和の山々。近くには古い城跡の気配。そこが日本芸能発祥の地「土舞台」である。 木々のあいだから射す光が落ち葉に反射…
奈良県桜井市の笠地区。標高480mの山道を登っていくと、ひっそりと、それでいて凛とした空気をまとった「笠山荒神社」が姿を現す。ここは“荒神さん”と呼ばれ、古くから地元の人に大切にされてきた神社だ。 荒神とは、仏(ほとけ)・法(のり)・僧(そう)の…
11月。日本酒の蔵で新酒が搾られはじめるころ。山里の朝がひときわ冷たくなる。奈良県桜井市の笠地区では、もうひとつの季節が訪れる。新蕎麦の季節である。 標高500m。三方を山に囲まれた小さな集落。夏の湿気を嫌う蕎麦にとって、ここは蕎麦が悦ぶ土地だ。…
2025年11月26日(水)、奈良・橿原を拠点とする「はじめる会」主催の特別セミナーが開催されました。今回のテーマは、「物の執り方・扱い方を武器に、ビジネスの風格と自信を纏う」 です。 このセミナーは、日本古来の礼節や所作に宿る“無言の力”を学び、そ…
日本酒には様々な分類があるが、最も“日常の酒”として親しまれてきたのが本醸造酒。 本醸造とは、米・米麹に加えて醸造アルコールを少量加えた日本酒のことで、発酵由来の香りを引き出し、味わいをすっきりと整える。近年は純米酒がブームだが、今なお「本醸…
ふるさと桜井市は、その名に「桜」を抱くまち。春はもちろん、秋も桜井が最も美しく輝く季節である。 町を歩けば、赤や黄に染まった木々が視界を潤し、花の季節とは異なる温かな色彩が心を包む。 桜も紅葉も、どちらもこの土地には不思議なほどよく似合い、…
銘柄:三諸杉 土地:奈良県桜井市三輪 酒蔵:今西酒造 区分:どぶろく 原料米:ヒノヒカリ(麹米) 原材料:米(国産)、米麹(国産米)、 アルコール:13度 精米歩合:なし 価格:1,980円(720ml) 「三輪のどぶろく」は、奈良県桜井市にある今西酒造がつく…
1300年以上の歴史を誇り、ラーメンや蕎麦など麺文化の始祖である「三輪そうめん」。一般的な素麺とは異なり、弾力があり、時間が経ってものびにくく、歯切れの良さが続く。2023年に父が他界するまで、ウチも1877年(明治10年)創業から三輪そうめんを製造し…
桜井市は、石を投げれば春日神社にあたる。少なくとも市内に10社以上ある。祀る神様も微妙に違う。 桜井の春日神社は山間にあることが多いが、江包(えっつみ)の春日神社は、初瀬川の右岸にある。 素盞鳴神社に近接し、春日神社の例祭は10月18日だが、2月11…
奈良の桜井市には、スサノオを祀る神社が全部で五つある。表記は少しずつ違う。 素佐男神社(奈良県桜井市三輪) 素盞鳴神社(桜井市慈恩寺) 素盞雄神社 (奈良県桜井市初瀬) 須佐之男神社 (奈良県桜井市辻) 素盞鳴神社 (奈良県桜井市江包) 実家のいち…
天理市の柳本、山裾の静かな道を進むと、木々の隙間からやわらかな光が落ちてくる。その奥に、ひっそりと佇む山門が姿を見せる。ツツジや紅葉の名所で名高い長岳寺。 平安時代の天長元年(824)、淳和天皇の勅願により空海が開いたと伝わる古刹で、大和神社…
11月末の桜井は、町のどこを歩いても、紅葉の色が風に揺れ、どこかで新酒の気配が杉玉から漂ってくる。季節の移ろいが、目にも鼻にも触れてくるような日々だ。そんな中、数年前にひっそりと、確かな息づかいで復活した催しがある。 三輪まちなか「つば市」 …
銘柄:鬼ごのみ 土地:奈良県桜井市三輪 酒蔵:今西酒造 区分:本醸造 原料米:ヒノヒカリ(非公開) 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール アルコール:14度 精米歩合:70% 価格:1,790円(720ml) 「鬼ごのみ」は、今西酒造が冬限定で…
名称:みたらし団子 原材料:米粉(うるち米、もち米由来)、甘辛醤油タレ 販売期間:通年 販売元:吉方庵 価格:500円(5個入り) 奈良県桜井市にある吉方庵(きっぽうあん)が、注文をしてから焼いてくれる銘菓。焼き網の上で膨らみ、焦げ目がつくたびに、…
等彌神社の境内は、秋になるとゆっくりと体温を上げていく。木々の葉は黄から紅へと移ろい、風が吹くたびに、紙片のようにひらりと舞い落ちる。その下を歩いていると、自分の呼吸まで、いつもより深く、静かになるのがわかる。 桜井の山の懐に抱かれたこの社…
降る雪は あはにな降りそ 吉隠(よなばり)の 猪養(いか違)の岡の 寒からまくに 本歌は、雪の風景を介して亡き但馬皇女への深い愛惜を述べた穂積皇子の挽歌であり、地名・雪・感情が緊密に響き合う万葉集屈指の叙情歌。 現代訳 降る雪よ、どうか、そんなに…
倉橋の 山を高みか 夜隠(よがく)りに 出で来る月の 光乏しき 現代訳 倉橋山があまりに高いのであろうか。夜になって昇ってきた月の光が、どこか乏しく感じられることよ。 歌の意味 この歌は、月の光が弱く見える理由を「倉橋(くらはし)の山が高いから」…
妹(いも)が目を 始見(はつみ)の崎の 秋萩は 此月(このつき)ごろは 散りこすなゆめ 現代訳 始見(はつみ)の崎に咲く秋萩よ。どうか、この月の間だけは散らないでおくれ。お願いだから、けっして。 歌の意味 この歌は、大和国・跡見(鳥見)山麓に広が…
射目(いめ)立てて 跡見(とみ)の岡辺の なでしこの花 ふさたおり われはゆきなむ 奈良人のため 現代訳 跡見(鳥見)山の岡辺に咲くナデシコの花よ。その花をたくさん手折って私は持って行こう。奈良のあの人のために。 歌の意味 この歌は、奈良県桜井市に…
うかねらふ 跡見山(とみやま)雪の いちしろく 恋ひば妹(いも)が名 人しらむかも 現代訳 跡見山(鳥見山)に降り積もった雪のように、はっきりと目立つほどにあなたを恋しく思ったなら。きっと人々は、あなたの名を知ることになるでしょうか。 歌の意味 …
隠国(こもりく)の 泊瀬(はつせ)の山に 照る月は みちかけしけり 人の常なき 現代訳 泊瀬(現在の奈良県桜井市長谷寺の付近)の山に照る月。その月が欠け満ちるように、世の中のことも、人の心も、なんと移ろいやすいことだ。 歌の意味 この歌は、奈良県…
春の夜や 籠(こも)り人 ゆかし 堂の隅(すみ) 現代訳 春の夜。ほの暗い灯明のともるお堂の片隅で、じっと祈り続ける“籠り人(こもりびと)”。その女性の姿がなんともいえず心惹かれる。 歌(句)の意味 この句は、松尾芭蕉が大和・長谷寺を訪れた折に詠ん…
我(われ)もけさ 清僧(せいそう)の部(ぶ)也(なり) 梅の花 現代訳 今朝の私は、まるで心の澄んだ僧侶の仲間入りをしたかのようだ。梅の花の清らかな香りと姿を前にしていると、そんな気持ちになる。 歌の意味 この句は、江戸後期の俳人・小林一茶が大…
近鉄長谷寺駅から、観光客が吸い寄せられるように歩いていく参道。その道をほんの少しだけ外れると、空気が急に変わる。湿度が増すわけでも、温度が下がるわけでもない。ただ、「日常」がふっと後ろに下がって、ひとつ深い呼吸が差し込んでくる。 そこに、與…
色づく与喜山 (よきやま)を眺めながら長谷寺へ向かう参道から少し外れる。 連歌橋を渡ると、初瀬川の細い流れが、遠い記憶をたぐり寄せるように谷間をなぞっている。 橋を渡れば、山の斜面は急に濃い緑をまとい、家々の屋根は影の中へ沈んでいく。道はかす…
銘柄:甘酒 土地:奈良県桜井市三輪 酒蔵:今西酒造 区分:甘酒 原料米:非公開 原材料:米(国産)、米麹(国産米)、 アルコール:ノンアルコール 精米歩合:なし 価格:1,080円(720ml) 奈良県桜井市にある今西酒造がつくる「甘酒」。甘酒とは、米と米麹…
銘柄:鬼ごのみ 土地:奈良県桜井市三輪 酒蔵:今西酒造 区分:本醸造 原料米:非公開(ヒノヒカリやヒトメボレの情報あり) 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール アルコール:14度 精米歩合:70% 価格:1,790円(720ml) 「鬼ごのみ し…
春山は 散り過ぎぬとも 三輪山(みわやま)は いまだ含(ふふ)めり 君待ちかてに 本歌は、三輪山の蕾に“逢えぬ恋の心”を託した、柿本人麻呂の象徴表現の秀作である。 現代訳 春の山々では桜がもう散ってしまったのに、三輪山だけは、まだ蕾をふくらませてい…
味酒(うまさけ)を 三輪の祝(はふり)が 斎(いは)ふ杉 手触(てふ)れし罪か 君に逢ひかたき 三輪の杉が裂く恋路、触れた“罪”が二人を遠ざけるを歌っている。 現代訳 三輪の神に仕える祝(はふり)が、神聖な杉(御神木)に、触れてしまったのだろうか。…