大和ふるさと手帖〜奈良だより

故郷・大和(なら)のまほろばを紹介します。歴史、風土、寺院、遺跡、古墳。あすかびとを目指して。

2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧

河瀬直美『朝が来る』〜朝とは赦しの名前、許すことは朝を迎えること

『朝が来る』は、2020年に公開された日本映画。監督は河瀬直美。直木賞作家・辻村深月の同名小説を映画化し、「特別養子縁組」という制度を通して家族の絆と赦しの物語を描く。血のつながりを超えた親子の愛と、過去の選択がもたらす葛藤を繊細な映像美で紡…

桜井「鳥焼肉よしだ」〜鶏肉ロードに灯る味噌ダレの炎、田んぼの風と網の音

田園の道は、暮れかけた空を映して白く光っていた。奈良県桜井市の三輪から大泉へ抜けるこの一帯は、鶏肉の店が多いので、僕は勝手に「鶏肉ロード」と呼んでいる。 畦を渡る風に稲と土の匂いが混じり、遠くでカエルが鳴く。そんな風景の中に、角ばった白い箱…

『飛鳥の風』〜額田女王の沈黙に似たワイン、静かな夜に葡萄は風になる

生産者(ドメーヌ): 飛鳥ワイン株式会社 国:日本 生産地(テロワール):大阪府羽曳野市 年代(ヴィンテージ):NV 品種:デラウェア(河内産) 栓:スクリューキャップ 熟成:不明 アルコール度数:8% 飲み頃の温度:不明 販売価格:2,700円(税込み) …

「音羽山 純米吟醸」〜観音の麓で生まれた、対話する原酒、山は削られて強くなる

銘柄:音羽山 土地:奈良県吉野郡吉野町 酒蔵:北村酒造 区分:純米吟醸酒 原料米:奈良県産米 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米) アルコール:17度 精米歩合:60% 価格:1,200円(300ml) 「音羽山 原酒 純米吟醸」は、奈良県桜井市の談山神社にある…

「三諸杉 蔵出し限定酒 おりがらみ 純米吟醸 無濾過生原酒」〜そのままを、注ぐ、静かな夜を、少し若くする酒

銘柄:三諸杉 土地:奈良県桜井市三輪 酒蔵:今西酒造 区分:純米吟醸酒 原料米:非公開 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米) アルコール:12度 精米歩合:60% 価格:2,490円(720ml) 「三諸杉 蔵出し限定酒 おりがらみ 純米吟醸 無濾過生原酒」は、奈…

天平庵「秋篠の森」〜宇治抹茶とホワイトチョコが奏でる、やわらかな森の余韻

名称:秋篠の森(あきしののもり) 原材料:砂糖、小麦粉、バター、加糖練乳、全脂粉乳、卵、ココアバター、植物油脂(大豆由来)、生クリーム、マルトース、抹茶、洋酒、食塩、澱粉、卵たん白、脱脂粉乳、乳脂肪、クロレラ、トレハロース、膨張材、乳化剤(…

能楽発祥の地で、子どもたちは花を咲かせた、時分の花と、まことの花のあいだで

昨年から、10歳の姪と7歳の甥が、週に1度、能楽を習い始めた。きっかけは特別なものではない。どこにでもある「やってみるか」という軽いノリ。だが、続くということは、いつも静かな意思を伴う。その成果のお披露目が、2026年1月11日、磯城郡で行われた。 …

きな粉雑煮〜祝うより整える、大和の台所に残った正月

きな粉雑煮は、奈良県(大和地方)を中心に食べられるお雑煮。白味噌仕立ての汁に金時人参、丸餅や根菜、豆腐などを入れ、椀から取り出した餅をきな粉につけて食べるの正月料理である。 縁起が良い紅白の彩りになり、家族円満になるように、具材は丸く切るも…

「三諸杉 午年限定酒HINOEUMA」〜静けさを跳ねる白き午の酒、三輪の地より節目に捧ぐ

銘柄:三諸杉 土地:奈良県桜井市三輪 酒蔵:今西酒造 区分:非公開 原料米:奈良県産酒造好適米100% 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米) アルコール:13度 精米歩合:非公開 価格:2,970円(720ml) 「三諸杉 午年限定酒HINOEUMA」は、奈良県桜井市三…

片上醤油「焼きもち醤油」〜食卓に小さな詩情を呼び戻す記憶装置

名称:こいくちしょうゆ(本醸造) 原材料名:大豆(国産)、小麦、三温糖、食塩 内容量:300ml 保存方法:直射日光を避け 常温で保存 製造者:片上醤油 片上裕之 「焼きもち醤油」は、天然醸造の醤油を数種類ブレンドし、三温糖を加えて甘く懐かしい味に仕…

まほろびと:綺麗事でメシを食う。「それでは食えない」と言われても、松田好生の保険道

奈良という土地には、心がほどける空気と、歴史よりも深い声がある。古と今をつなぎ、まほろばの地・奈良に根を下ろす人々を訪ねる企画「まほろびと」 第1弾に登場するのは、橿原(かしはら)を拠点にするライフ・プランナー松田好生(よしお)さん。 松田さ…

神宝神社〜松明の道を行く、三輪の三柱の神に見守られて

神宝(かんだから)神社は、奈良県桜井市にある神社。大神神社の摂社(本社の祭神と縁の深い神を祭った社)にあたり、三ツ鳥居の東、参道の脇にある。 参道入り口に明神鳥居があり、神様の宝物をお守りする神社。いつ創建されたのか歴史は不明だが、室町時代…

奈良・平等寺〜桜井の静寂と祈り、新年を刻む鐘の音

"> ">平等寺(びょうどうじ)は、奈良県桜井市三輪、山辺の道(やまのべのみち)沿いにある曹洞宗の寺院。鎌倉時代にはすでに存在していた。 門前では「三輪山 平等寺」と表記している。 平等寺の歴史 平等寺の境内 除夜の鐘 コラム:正月、鐘桜堂の鐘撞 平…

大神神社・繞道祭〜大和の正月を明ける「ご神火まつり」、あの夜の熱気の中で

大晦日の夜、平等寺で除夜の鐘が鳴らされる頃、大神神社の境内は、すでに歩く場所を失っている。 毎年、約50万人が初詣に訪れると数字は、誇張ではない。人の波は途切れることなく、息を詰めるようにして前へ進むしかない。ほとんどが10代、20代。この日ばか…