
今日は、奈良県桜井市の外山(とび)という町にある「ほぐし処 ビッグサム」という名のマッサージ屋さんを紹介したい。

ゴルフの打ちっぱなしの施設の敷地で、その隅にサロンがある。駐車場が広大。ゴルフ場のそばにあるから、年配の男性客が多いだろうと思いきや、来ているのはむしろ女性が多い。だから、ほとんど女性スタッフ。

開業は2019年。中に入ると、それが比較的新しい店であることがすぐにわかる。

メニューは、マッサージ、整体、ヘッドスパ。名前を聞いただけで、身体の重さが少し和らぐような言葉たち。
僕は身体が丈夫なほうだ。風邪もひかないし、病院にもあまり縁がない。ただ、腰だけは昔から悪い。生まれつき、そこが弱い。そして怪我にも弱い。だから、これまでにいくつものマッサージ屋を渡り歩いてきた。
旅先でマッサージを受けるのは、ひとつの習慣になっていた。ホテルの部屋で調べて、歩いていく。極真空手の道場に通っていた二十代から数えれば、百軒以上は行った。
東京・新宿では、毎週接骨院に通っていた。治療でもあったし、ひとつのルーティンでもあった。それがなくなったとき、ぽっかりと穴が空いた。身体ではなく、心のほうに。
その代わりが、ようやく見つかった。「ほぐし処 ビッグサム」。自分へのご褒美、という言い方はあまり好きじゃないが、そう呼ぶのがちょうどいい。

いつも指名するのは、20年以上の経験を持つ男性の先生。マッサージは相性がすべてだが、この先生は間違いなく一、二を争う腕前。
初めて施術を受けたときのことを、今でもよく覚えている。揉みほぐしながら、ふと僕の手相を見てこう言った。
「昔、大恋愛しはったでしょ。結婚まで考えてた人、いてはったでしょ。でも、別れたんやね」
占いなんて普段はまったく信じない。けれど、誰にも話さず、胸の奥にしまっていた記憶を、やさしく見つけてもらえたような気がして、うれしかった。
マッサージには二種類ある。ひとつは、気持ちよさを優先したもの。もうひとつは、効果を優先したもの。
この先生は、完全に後者。僕のような体質には、そちらのほうが合っている。表面の凝りが硬く、その奥に何層も重なるように凝りがある。マッサージをしてくれた人から「他の人の何倍もしんどい」、と何度も言われた。
そういう身体だから、気持ちよくて眠ってしまうようなマッサージでは、逆にだめなのだ。そのときは癒される。でも30分後には、何も変わっていないことに気づく。
この店では、指圧は控えめで、メインは整体とタイ古式マッサージ。腰痛にはツボ押しも混ぜてくれる。痛み8割、気持ちよさ2割。二八蕎麦のようなもの。このブレンドがちょうどいい。伸ばされた関節が、目覚めたように動き始める。
料金は一時間で3500円。いまの収入では、3ヶ月に一度が限界だ。でも、続けようと思っている。いつか、月に1回、できれば月2回通えるようになることが、僕のささやかで、身近な夢のひとつである。
店の名前も、どこかユーモラスでいい。ビッグサム。大きな手。その手が、深いところにある凝りに届く。これは、なかなかに珍しいことだ。
マッサージは3ヶ月1回では意味がない。週1回は通わないといけない。それはわかっているが、それでも行きたくな磁力が「ほぐし処 ビッグサム」にはある。
ほぐし処 ビッグサムの情報
- 住所:奈良県桜井市大字外山747
- 電話:0744-35-6719
- 最寄り駅:大和朝倉駅[北出口]徒歩14分
- 診療科:1時間3500円
- 診療時間: 9:30〜18:00
- 定休日:無休
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