大和ふるさと手帖〜奈良だより

故郷・大和(なら)のまほろばを紹介します。歴史、風土、寺院、遺跡、古墳。あすかびとを目指して。

日本酒おすすめ酒器、選び方〜同じ酒とは思えない!味が別物になる衝撃の飲み比べ

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日本酒は、同じ銘柄でも“どの器で飲むか”でまったく別の顔を見せる。甘さがふわっと広がったり、酸がキュッと締まったり、まろやかになったり、突然フルーティーに化けたり。まるで魔法だ。

ガラスか、陶器か。お猪口か、ワイングラスか。それだけで、あなたの“いつもの一杯”が、今日からまったく別物になる。

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日本酒の酒器を形状・素材からわかりやすく紹介し、さらに種類別(純米大吟醸・純米酒・辛口・本醸造・スパークリング)に「どの器が一番美味しいか」を検証した結果をまとめた。

さあ、日本酒がもっと楽しくなる“器の世界”へ。あなたの今日の一杯が、ちょっとだけ特別になりますように。

日本酒の酒器の種類(形状・素材)

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日本酒の酒器には多くの種類があり、その分類も人によって異なる。ここでは形状を基準に、おおまかに次の5種類に分けて紹介する。

  • お猪口
  • 平盃
  • ぐい呑み
  • 日本酒グラス
  • ワイングラス

形状の違いに加え、素材による味わいの変化も重要。

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ガラス製の酒器は熱伝導率が高く、酒の温度がそのまま唇に伝わる。そのため冷酒との相性がよく、薄いガラスならではの「キリッ」とした冷たさを感じやすい。また、口当たりが非常に軽いため雑味を拾いにくく、吟醸系やフルーティーなタイプの酒でよく選ばれるのはこのため。また、ガラスは食べ物の匂いが付着しやすいので、食中酒として飲む場合は、食べていくごとに少しずつ味が変わっていく。

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一方、陶器や磁器はガラスに比べて熱伝導率が低く、酒の温度がゆっくり変化する。常温やぬる燗のまま、酒の美味しさを落ち着いて味わえる。さらに縁が分厚い酒器は、口に含むまでの「間」が生まれ、味わいをじっくり感じさせてくれる。キレのある辛口の酒でも尖りすぎず、やわらかな深みをまとって届く。陶器はガラスより食べ物の匂いが付着しないので、食中酒にも向いている。

お猪口(丸盃)

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向いている日本酒:「辛口」と「純米大吟醸のやさしいタイプ」

お猪口(丸盃)は、日本酒を“キュッと楽しむ器”。繊細な香りは拡散するが、味の輪郭がストレートに届く。特に辛口のキレを引き立てるのは、お猪口の専売特許だ。

もしあなたが、「もう少し刺激がほしい」「今日の辛口はシャープに決めたい」と思うなら、お猪口は最高の相棒になる。

ひと口ですっと飲み干すその形は、まさに“ショット文化”の日本版。現代でもエスプレッソやテキーラに使われるように、「濃いものをぐっと飲む」シーンによく似合う。

お猪口は口径が狭く、酒が舌の中央にすとんと落ちる。その瞬間、香りはふわっと外へ逃げていく。だから、洋酒のように“どんと香りを抱えたい酒”には向かないが、逆に 繊細な香りを軽く広げたいときにはちょうどいい。香りの持続よりも、「ひと口のインパクト」を重視する器だ。

向いているのは「辛口」と「純米大吟醸のやさしいタイプ」 

● 辛口

キュッとした苦みとドライなキレが、お猪口のサイズと相性抜群。舌の一点に凝縮して届くため、辛口特有の“ツーン”が心地よい。

● 純米大吟醸(やさしいタイプ)

純米大吟醸の柔らかな甘みが、お猪口だとふわっと顔を出す。肩の力が抜けたような広がりで「優しい大吟醸」になる。

 

平盃

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向いている日本酒:純米酒・純米大吟醸

平盃は、日本酒の世界では“いちばん古い友人”みたいな存在。奈良時代にはすでに使われており、そこから千年以上、ずっと酒のそばに寄り添ってきた。歴史のロマンをそのまま手に乗せて飲む器、といっていい。

ぱっと見て分かるのは、その“平たくて広い口”。この形が、香りをふわっと一瞬で解き放つ。鼻に抜けるスピードが早いので、香りが華やかな酒、酸をスッと感じたい酒にぴったり。

純米酒や純米大吟醸で 「酸の表情がきれいなタイプ」 を飲むと、「あ、こういう酸だったのね」と輪郭がすっと見える。

平盃は、味の中でも 酸味の部分だけを明るくライトアップする照明係のような器。だから、辛口が苦手な人ほど飲みやすく感じる。辛口のお酒でも、スッと余韻が消え、「あれ、辛いはずなのに優しい…」という不思議な変化が起きる。

量が入りすぎないから、会話しながらちょびちょび飲むのにも合う。酒場で友人と並んで“ちょっといい話”をするときに出てきたら最高の器だ。

 

立盃(たちはい・ストレート型)

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向いている日本酒:にごり、微炭酸の純米生原酒、フレッシュな新酒

同じ「盃」でも、こちらは打って変わって“背筋を伸ばした細身の器”。いわば、日本酒界のフルートグラス。ワインのスパークリングを飲むあの形だ。

立盃は口径が小さいぶん、香りが暴れない。その代わり、液体がストレートに舌へ届き、喉越しがとんでもなく爽やか。

微発泡の日本酒(にごり微発泡、生酒のプチプチ系)とは相性抜群。

・活性にごり
・微炭酸の純米生原酒
・フレッシュな新酒

「え?こんなに爽やかだった?」と驚くほどのスッキリ感が出る。

 

ぐい呑み(抹茶椀)

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向いている日本酒:すべて(純米大吟醸、純米酒、辛口、スパークリング)

日本酒をまろやかにする、小さな魔法の器。一般に「お猪口」と「ぐい呑み」に厳密な線引きはない。少し大ぶりで、深さがあり、手のひらで包み込める器を多くの人が“ぐい呑み”と呼んでいる。その中でも異次元の存在感を放つのが SHUWAN(シュワン) だ。

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SHUWANは、ころんとした丸い形に、ほんのり楕円が混じる不思議なフォルム。正円 × 楕円の組み合わせが、とんでもない仕事をしている。

普通のぐい呑みは、香りがすぐ飛んだり、逆にこもりすぎたりしやすい。しかし、SHUWANは、その絶妙なカーブのおかげでフルーティーな香りだけを器内に“ふわっ”と残し、刺激臭(アルコールのトゲ)は外へ逃がす。

この“選別”が驚くほど上手い。だから、どんな日本酒を注いでも、まず香りが優しく立ち上がる。「え、こんなにフルーティーだったっけ?」と思わず二度見するほど。

深さのある器は味を丸くするが、丸くなりすぎると、酒の個性がぼやけやすい。しかしSHUWANは味も香りも “良いところだけ丸くする”。

・雑味は消える
・刺激は和らぐ
・香りは伸びる
・余韻はひろがる

ほとんど反則のような働きをしてくれる。飲んだ瞬間の スムーズさ と、飲み込んだ後の ほどよい余韻の長さ が、まるで別の銘柄を飲んだかのように感じさせる。

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向いている日本酒はすべて。ほぼ万能。

  • 純米大吟醸:丸さと旨みが極まる
  • 純米酒:ふくよかさが最も綺麗に出る
  • 辛口(春鹿など):角が取れ、旨みが前へ出る
  • スパークリング:甘みが際立ち“和デザート酒”になる

「酒のいいところを全部拾って、嫌なところをそっと消してくれる」

SHUWANは、ただの器ではなく、日本酒を“やさしい酒”に変える魔法道具 だ。

 

日本酒グラス

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向いている日本酒:純米大吟醸、純米酒

日本酒の香りを、最も美しく引き出す器。ワイングラスでもない、ぐい呑みでもない。日本酒グラスは、日本酒のためだけに調律された特別なグラス。

日本酒グラスの内部は、ただ丸いだけじゃない。目に見えないほどの正円と楕円のカーブが組み合わされ、酒が口に入るまでの“流れ”が計算されている。

口に入った瞬間、別世界。口当たりもなめらか。液体が舌の上へ“すべり込む角度”まで計算されているから、飲んだ瞬間の印象が驚くほど柔らかい。

結果、香りは華やかになる、旨みはくっきり立つ、後味は上品にスッと消える。

「あ、これ一番高いやつかな?」と思わせる上質な余韻が生まれる。

ほぼ万能だが、特に相性抜群なのはこれ。

  • 純米大吟醸:香り・甘み・余韻、全部が最高潮
  • 純米酒:米の旨みの“芯”が縦に伸びる

日本酒を“いちばん美味しい形”で届けてくれる器。初めて買うなら、真っ先に候補に入れてほしい。日本酒グラスは、日本酒の演奏を最高音質にしてくれる“マスタリング・グラス”。この一つで、あなたの日本酒体験は一段跳ね上がる。

日本酒グラスの最高峰:リーデル・エクストリーム・純米

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  • 高さ:200mm
  • 容量:495ml
  • 製造:マシンメイド
  • 材質:クリスタルガラス
  • 生産国:ドイツ

日本酒の専門家と8年の歳月をかけ、辿り着いたのは、横にふくらむダイヤモンド形状のボウル、吉野杉のように頼もしい太い脚、あえて広めに設計した飲み口。

ひと口含むと、米の甘やかな“うまみ”がふわりと開き、質感は絹のようにやわらかく、クリーミーに舌の上で長くとどまる。アルコールの角が丸くなり、吟醸香は果実のようにみずみずしく、酒そのものが一段階、上質に磨かれたかのよう。

  • 横長・大容量のボウルが香りを大きく抱え、温度の変化もゆるやかに
  • 広い口径が味を舌全体にすばやく届け、余韻をふくらませる
  • 辛口は丸みを、フルーティーなタイプは果実味をいっそう引き出す設計

この一脚で日本酒の表情が見違える。今夜の一合を“特別な一杯”に変えてくれる、日本酒好きのための決定版。晩酌の食卓に、このグラスを。

 

ワイングラス

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向いている日本酒:本醸造、日本酒スパークリング

ワイングラスは、日本酒を一段と華やかにしてくれる。ふくらんだボウルが香りを大きく広げ、すぼんだ飲み口がその香りを心地よく鼻へと届けてくれる。本醸造やスパークリングでは、ふだんよりも香りが立体的になり、飲んだ瞬間にふわっと広がる香り、舌の上で伸びる旨みなど、リッチな味わいに変わる。

リーデル リースリング (スーパー・レジェーロ)

  • 高さ:252mm
  • 容量:400ml
  • 製造:マシンメイド
  • 材質:クリスタルガラス
  • 梱包:RIEDELロゴ入り箱
  • 生産国:ドイツ

美しさと機能性の結晶。吟醸酒・大吟醸の魅力を余すことなく解き放つ一脚。

縦長の卵型が香りを一点に集め、グラスを傾けた瞬間に立ちのぼるのは、完熟果実のように澄んだ吟醸香。口に入れば、磨き込まれた日本酒の透明感がすっと通り、芯のある旨みと伸びやかな余韻が層を成して広がる。冷やでも常温でも、味の境目がくっきりと見えてくる。

外観は凛として端正。すらりと伸びるステムは驚くほど繊細でしなやかで、手に取ると重さではなく“無重力”を感じる。

同じリーデルでも、ヴィノムの大吟醸グラスより、このスーパー・レジェーロの軽さと細さが一歩前に出る。液面の揺らぎが最小限になり、香りの立ち上がりと舌上の流れが一段とクリアになる。結果として、酒のポテンシャルがもう一段開く。

大吟醸を愛する人の常用グラスは、これでいい。いや、これがいい。

 

日本酒の種類別のおすすめ酒器

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続いて、日本酒を「純米大吟醸」「純米酒」「辛口」「本醸造」「スパークリング」の5つに分類し、それぞれに最適な酒器を紹介していく。

同じ酒でも、器が変われば別物。香りの広がり方も、舌触りのニュアンスも、驚くほど違ってくる。あなたの“いつもの一杯”が、ここから少しだけ特別な味になる。

※純米酒でも味わいは酒によって異なるので、あくまで目安としてください。

純米大吟醸

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純米大吟醸は、香りが華やかで、口に含むとふわっと広がる“ご褒美系”。酒器によって表情がガラッと変わるので、同じお酒で遊んでいるみたいな楽しさがある。

お猪口

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甘みがフワッと立ちのぼる。肩の力が抜けたような、やさしい広がり方をするので、純米大吟醸の「柔らかい一面」が素直に顔を出す。

平盃

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平盃は“風が抜ける酒”。最初に酸味がキュッと主張し、舌の上をスーッと軽やかに流れていく。あっという間にいなくなるのに、あとから「あれ、いまの何?」と余韻だけ残していく、ちょっとした小悪魔。

ぐい呑み(SHUWAN)

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かなり存在感を見せたのが、ぐい呑みのSHUWAN。ツーンとした刺激がなく、とにかくまろやか。純米大吟醸の丸みとコクを、両手で包み込んで差し出してくれるような器だ。

日本酒グラス(リーデル純米グラス)

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王者。もっともフルーティーに感じるのが日本酒グラス(リーデルの純米グラス)。香りの揺れ方、口当たりの優しさ、余韻の長さ。全部が洗練され、まろやかで、ちょっとした高級デザートみたいに感じられる。純米大吟醸の良さを全部引き出してくれる、圧倒的エース。

ワイングラス

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ワイングラスは“力強い純米大吟醸”になる。香りが凝縮し、味の輪郭がくっきり。もちろん美味しいのだが、少し主張が強くなるので、人によって好き嫌いは分かれる。

結論:最強の2トップ

  1. 日本酒グラス(リーデル純米グラス)
  2. ぐい呑み(SHUWAN)

この2つは、ほぼ“別世界”。同じ純米大吟醸なのに、違うお酒を飲んでいるかのように変わるので、ぜひ飲み比べてほしい。「母の1位はSHUWAN、2位が日本酒グラス」

純米酒

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純米酒は、米の旨みがしっかりしていて、口に含むと“ほっ”と落ち着く。良い意味で素朴で、器によって味の強弱がはっきり変わるタイプ。まるで、器ごとに違う表情を見せてくる“寄り添い上手”なお酒だ。

ぐい呑み(SHUWAN)

SHUWAN。これはもう…圧倒的にまろやか。純米酒のふくよかな旨みを、ふわっと丸く包み込んでくれる。飲んだ瞬間、「あ~これこれ」と思わず声が漏れるような安心感がある。まさに“家に帰ってきた味”。

日本酒グラス(リーデル純米グラス)

リーデル純米グラスは味わいの芯をぐっと引き出す。米の旨みが縦に伸びるように鮮やかで、香りも立ち上がりやすい。純米酒の「本気」を見せつけられる感じで、正直、一度これで飲むと戻れなくなる。母親も1位に選んだのが象徴的で、世代や性別を超えて“美味しい”が一致する器。

ワイングラス


ワイングラスだと、純米酒は意外にも軽やかに変化する。舌の上でスイスイと流れ、香りが広がる分、後口はすっきり。純米酒がちょっと洋風におめかししたみたいで、軽快に飲みたい日には悪くない。

お猪口・平盃

お猪口や平盃は、やや弱くなる印象。甘みや旨みが少しだけ控えめに届き、スッと消える。悪くはないが、純米酒の“じんわりした良さ”は他の器に比べて少し削れる。

結論:純米酒のベスト酒器はこの2つ

  1. 日本酒グラス(リーデル純米グラス)
  2. ぐい呑み(SHUWAN)

この順位、母親もまったく同じ。日本酒グラス(リーデル)は「旨みのピークを引き出す器」。ぐい呑み(SHUWAN)は「旨みの丸さを最大化する器」。まろやか派は、SHUWAN、キレよく旨み派はリーデル。同じ純米酒で“二度美味しい”体験ができるので、飲み比べは本当におすすめ。

辛口

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辛口といえば「甘くない酒」と思われがちだが、実はちょっと違う。辛口の正体は“余韻の苦味”。ほのかな苦味がキレを生み、後味をスッと締めてくれる。その結果、「フレッシュ」「シャープ」「ドライ」という爽快な印象が生まれる。だから、辛口好きは“あの後口がたまらない”のだ。ここでは、奈良の名酒「春鹿 純米超辛口」を例に、器の違いを試してみた。

ぐい呑み(SHUWAN)

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まずSHUWAN。この器は本当に魔法みたいだ。辛口のキレは残しながら、角(ツンとした刺激)がふっと丸くなる。まろやかになることで、酒の旨みがすごく“見やすい”。「春鹿の本当の味ってこうなんだ」と気づかされる一杯で、超辛口でありながら深い。辛口を飲み慣れてる人ほど、この変化にニヤッとしてしまうはず。

お猪口

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お猪口は、逆に辛口のドライさを強く引き出す。ひと口ふくむとキュッと背筋が伸びるような、あの“ツーン”が小気味いい。シャープな苦味がキレをさらに際立たせ、辛口の魅力をストレートに感じられる。春鹿の「超辛口」は辛さがただ強いのではなく、清らかで洗練されたドライさがあるため、このツーンが心地よく決まる。辛口に求めるものが“爽快感”なら、お猪口。

辛口のベスト酒器

1. ぐい呑み(SHUWAN)
 → 辛口でもまろやか。旨みがいちばんよく見える。

2. お猪口 → ツーンとしたキレが心地いい。辛口の爽快感が最大化。

SHUWANは「辛口の深み」を、お猪口は「辛口のキレ」を、それぞれ最高に引き出す。同じ春鹿でも、器が違うだけで“別の酒のように”顔を変えるのが面白いところ。辛口好きなら、この2種類だけは、ぜひ飲み比べてほしい。

日本酒におすすめのグラス

 
 

本醸造

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本醸造の魅力は、“軽やかで日常に寄り添う旨さ”にある。その素直な風味を最も引き出してくれるのは、ワイングラスだった。口縁が広がることで、ふくらみのある香りが一気に立ち上り、普段飲みの本醸造が少し贅沢な表情を見せる。

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日本酒グラスや、ぐい呑み(SHUWAN)で飲むと、一転してフルーティーさが前面に出る。透明感のある香りがきれいに伸び、軽快な余韻が続くのが心地いい。

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お猪口や平盃は、人によってはアルコールの輪郭が少し強く感じられるかもしれない。

本醸造のベスト酒器

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総合すると、1位はワイングラス。2位は日本酒グラス、そしてぐい呑み(SHUWAN)が同率2位という結果。

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ちなみに母の評価では、ぐい呑み(SHUWAN)が最もフルーティーで美味しいとのこと。酒器の違いが、ここまで味の印象を変えてしまうのだから面白い。

日本酒スパークリング

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スパークリング日本酒は、ただの日本酒ではない。泡が立ち上がるたびに香りがほどけ、舌先ではじけるたびに味が変わる。 “酒 × 炭酸 × 器” の三つ巴バトル になる。

器が違えば味の立ち方が別物になり、もはや同じ銘柄とは思えない。今回は、その最も顕著なパターンを紹介する。

ワイングラス(フルート型)

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一口で分かる。「これが正解だな」と。縦に細く伸びたフルートグラスは、炭酸の立ち上がりを最強に引き出す。プツプツと細かい泡がまっすぐ昇り、舌先でピンと弾ける。キレが良く、喉ごしは爽快。ツン、とした鋭さが気持ちいい。炭酸の刺さり方を楽しむなら、この器が圧勝。

ぐい呑み(SHUWAN)

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ミラクルを起こすのは、ここでもSHUWAN。炭酸のキレは弱まるのだが、代わりに甘みがグッと前へ出る。

「同じ酒だよね?」と一瞬疑うほど丸みが増し、スパークリングが“和のデザート酒”のように変貌する。

おそらく、器の厚みが炭酸の刺激をほどよく包み、味の芯だけを抽出して舌に乗せてくれるのだ。甘党なら、間違いなくこれが優勝。

日本酒グラス

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日本酒グラスは、まさにバランス型。フルートほどキレキレではなく、SHUWANほど甘くもない。“泡の爽やかさ × 日本酒らしい旨み” をどちらも楽しめる。日常的にスパークリング日本酒を飲むなら、一番使いやすいのはこのタイプ。

お猪口

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残念ながら、スパークリングはお猪口と相性が悪い。炭酸の立ち上がりは弱まり、香りもこもってしまい、味が単調で普通の日本酒に近づく。「泡を楽しむ酒」であることを考えると、ここは避けたいところ。

スパークリングのベスト酒器

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1位:ワイングラス(フルート型)
→ 泡・キレ・爽快感。全部トップクラス。

2位:ぐい呑み(SHUWAN)
→ とにかく甘い。スイーツ系スパークリングに変身。

3位:日本酒グラス
→ バランスが良く、初めてのスパークリングにも◎

今回も、母の1位は揺るがず ぐい呑み(SHUWAN)。どうやら炭酸より甘み派らしい。

 
 

百均の酒器との違い

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百均の酒器は本当に優秀だ。気軽に使えて、値段も手頃。こだわりが少ない人や、とにかく出費を抑えたい人には心強い味方である。

そのうえで、“同じ日本酒でももっと美味しく飲みたい”と思うなら、その違いを知ってほしい。これまで紹介してきた酒器は、味を変える道具だと実感できる。

ぐい呑み

百均の酒器との違い

左がSHUWAN、右が百均のぐい呑み。どちらも形は似ているが、素材が違うSHUWANは磁器、百均は陶器。口に含んだ瞬間の印象が驚くほど変わる。

SHUWANは、器そのものが軽い。唇に触れた瞬間のあたりがやわらかく、酒の瑞々しさをそのまま舌へ運んでくれる。ひと口飲むだけで、酒が持つ清らかさがすっと立ち上がるのがわかる。

陶器のぐい呑みは、ほんの少しだけ酒の輪郭が重く感じられる。熟成酒を飲んでいるかのような落ち着きが出て、悪くはないのだが、同じ酒とは到底思えないほど表情が変わる。同じ銘柄、同じ温度。なのに、器の素材だけでここまで味が変わる。本来の日本酒のポテンシャルを発揮するなら、SHUWANを選ぶのが正解。

 

日本酒グラス

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左がリーデルの大吟醸グラス、右が百均の日本酒グラス。容量はリーデルのほうが大きいのに、材質が違うので軽い。その“軽さ”は、味にもそのまま反映される。

百均のグラスは、ほんのわずかに粘りが強く、液体の重さを舌で感じやすい。対してリーデルは、酒がスッと流れ、輪郭がクリア。甘みも軽やかに立ち上がる。

「そんなに違う?」と思うかもしれないが、違う。容量が小さい百均グラスは温度変化と酸化が早い。味の劣化が速い。リーデルは逆。温度も香りもゆっくり変化し、食事が終わるまでベストの状態が長く続く。

一杯をじっくり味わいたい人には、専門グラスが圧倒的に向いている。

 

ワイングラス

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左がリーデル、右が百均。百均のワイングラスは、味がやや重たく出る。アルコールの角も立ちやすい。一方、リーデルは驚くほど柔らかく、甘味がまったく違う。舌に落ちる質感、余韻の長さ。形状・ガラスの薄さ・重さ、このすべてが味わいに作用する。

専門グラスに替えると、「あれ?この酒ってこんなに美味しかったっけ?」という小さな感動が必ず起こる。

 

日本酒におすすめのグラス