大和ふるさと手帖〜奈良だより

故郷・大和(なら)のまほろばを紹介します。歴史、風土、寺院、遺跡、古墳。あすかびとを目指して。

2026-03-12から1日間の記事一覧

河瀬直美『火垂』〜失われた古都で、ふたりが重なるとき、孤独はやっと輪郭になる

『火垂』(ほたる)は、2001年3月24日に公開された日本映画。監督・脚本は河瀨直美。奈良の街を舞台に、ストリッパーの女と陶芸家の男が出会い、互いの傷を抱えながら再び生き始めるまでを描いた長編作品。火、土、水という自然のイメージを通して、人が生き…

河瀨直美『2つ目の窓』〜静けさに溶ける生と死、そして母の問い

『2つ目の窓』(英題:Still the Water)は、2014年公開の日本映画。監督・脚本は河瀨直美。舞台は、監督の祖先ゆかりの地・鹿児島県奄美大島。サンゴ礁の海と原生林のあいだで、高校生の界人と杏子が、出会いと死別を通して「生と死の連なり」を受け取って…

河瀬直美 記憶と命の対話『たゆたふに故郷〜一人暮しを始めて、3年目の秋に』

初夏を思わせる陽気に包まれた飛火野では、角を切り終えた鹿たちが、どこか身軽になった身体で草原を歩いていた。呼び笛が鳴ると、係員のもとへ素直に駆け寄る。その姿には、奈良の春が持つ穏やかな時間が、そのまま形になっているようだった。 2026年3月11…