大和ふるさと手帖〜奈良だより

故郷・大和(なら)のまほろばを紹介します。歴史、風土、寺院、遺跡、古墳。あすかびとを目指して。

2025-11-07から1日間の記事一覧

「泊瀬川 速み早瀬をむすび上げて 飽かずや妹と 問ひし君はも」〜流れの中の面影、手のひらの水のように

泊瀬川(はつせがわ) 早み早瀬を むすび上げて 飽かずや妹(いも)と 問ひし君はも 現代訳 初瀬川(泊瀬川)の速い流れを、手ですくい上げながら「あなたは私に飽きないのか」と尋ねてきた、あの人は今は? 歌の意味 この歌は、奈良県桜井市を流れる泊瀬川…

桜井音頭〜浪漫のまちを歌う、万葉まつりが描く“生きている郷土史”

歌い手:都はるみ 作詞:「桜井音頭」制定委員会 作曲:狛林正一 編曲:押尾司 桜井音頭は、1975年(昭和50年)から始まった桜井で最も大きな秋祭り「万葉まつり」のために作られ、都はるみに歌ってもらった、桜井のご当地ソングである。 夏の最大の祭り「お…

崇神天皇「味酒 三輪の殿の 朝門にも 押し開かね 三輪の殿門を」〜神の酒、王の歌、三輪の夜明けを告げる一首

味酒(うまさけ) 三輪の殿(との)の朝門(あさと)にも 押し開かね三輪の殿門(とのと)を 現代訳 美酒で名高い三輪の神の社よ。夜明けの門を押し開いて、帰るがよい。三輪の社の門を。 歌の意味 この歌は『日本書紀』崇神天皇紀に載る三輪の神酒(みき)…

纏向遺跡〜桜井の風は、邪馬台国から吹いている

奈良県桜井市、三輪山の北西の麓。古代の纒向(まきむく)川が運んだ土砂で形成された扇状地の上に、今から約1800年前、突然として人が集まり始めた。 弥生時代のこの地には、ほとんど人が暮らしていなかった。ところが3世紀初頭、突如として数キロに及ぶ巨…

直球では終わらない夜。桜井・たのし家の“変化球”ごはん

飲食店には二種類ある。王道の味を真っすぐ出す“直球派”と、ちょっとした工夫や意外性で魅せる“変化球派”。奈良県桜井市・粟殿の「たのし家」は、まぎれもなく後者だ。 粟殿坐大神神社のすぐ隣。夜になると、白い提灯に「たのし家」と書かれた文字がやわらか…

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風 50」〜千年の風が語る奈良の魂、透明な神話を飲む

銘柄:三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 土地:奈良県桜井市三輪 酒蔵:三輪伝承蔵(今西酒造) 区分:特別純米酒 原料米:奈良県産露葉風100% 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米) アルコール:13度 精米歩合:50% 価格:3,300円(720ml) 「三諸杉 三輪伝承蔵…

巻向駅〜卑弥呼の風が吹き、古代への扉が開く駅

奈良県桜井市、万葉の風が吹く地に、静かにたたずむ小駅がある。それがJR桜井線(万葉まほろば線)の巻向駅(まきむくえき)である。 1955年(昭和30年)8月1日に開業した、桜井線で唯一「昭和生まれ」の駅である。ホームは単線一面のみの地上駅。白いコンク…

狭井川〜神話が息づく水のほとり、三輪山の麓に流れる聖なる流れ

狭井川 狭井川(さいがわ)は、奈良県桜井市三輪を流れる清流。三輪山(467m)を源に南麓を流れて西進する。 流域には豊かな湧水があり、現在でも「狭井神社」境内の「薬井戸(くすりいど)」として名水が湧出している。この清水は三輪山信仰の象徴の一つで…