大和ふるさと手帖〜奈良だより

故郷・大和(なら)のまほろばを紹介します。歴史、風土、寺院、遺跡、古墳。あすかびとを目指して。

2025-11-23から1日間の記事一覧

吉方庵「みたらし団子」〜焦げ目に宿る記憶、一本で桜井が蘇る

名称:みたらし団子 原材料:米粉(うるち米、もち米由来)、甘辛醤油タレ 販売期間:通年 販売元:吉方庵 価格:500円(5個入り) 奈良県桜井市にある吉方庵(きっぽうあん)が、注文をしてから焼いてくれる銘菓。焼き網の上で膨らみ、焦げ目がつくたびに、…

等彌神社・能楽〜紅葉の社で、芸能のふるさとが息を吹き返す

等彌神社の境内は、秋になるとゆっくりと体温を上げていく。木々の葉は黄から紅へと移ろい、風が吹くたびに、紙片のようにひらりと舞い落ちる。その下を歩いていると、自分の呼吸まで、いつもより深く、静かになるのがわかる。 桜井の山の懐に抱かれたこの社…

穂積皇子「降る雪は あはにな降りそ 吉隠の 猪養の岡の 寒からまくに」〜叶わぬ恋を雪に託して

降る雪は あはにな降りそ 吉隠(よなばり)の 猪養(いか違)の岡の 寒からまくに 本歌は、雪の風景を介して亡き但馬皇女への深い愛惜を述べた穂積皇子の挽歌であり、地名・雪・感情が緊密に響き合う万葉集屈指の叙情歌。 現代訳 降る雪よ、どうか、そんなに…

聖林寺〜桜井の空の下、ただ美しく、静寂の国宝・十一面観音への道

聖林寺(しょうりんじ)は、奈良県桜井市にある真言宗の寺院。本尊は地蔵菩薩。開山は藤原鎌足の長男・定慧(じょうえ)和尚。日本彫刻の最高傑作と名高い「十一面観音立像」を所蔵している。 談山神社や多武峰に向かう県道37号線を南下したところにあり、急…

間人宿禰大浦「倉橋の 山を高みか 夜隠りに 出で来る月の 光乏しき」〜山影に沈む、私の満ちぬ月

倉橋の 山を高みか 夜隠(よがく)りに 出で来る月の 光乏しき 現代訳 倉橋山があまりに高いのであろうか。夜になって昇ってきた月の光が、どこか乏しく感じられることよ。 歌の意味 この歌は、月の光が弱く見える理由を「倉橋(くらはし)の山が高いから」…

大伴坂上郎女「妹が目を 始見の崎の 秋萩は この月ごろは 散りこすなゆめ」〜秋萩に託す、ひそかな恋の守り歌

妹(いも)が目を 始見(はつみ)の崎の 秋萩は 此月(このつき)ごろは 散りこすなゆめ 現代訳 始見(はつみ)の崎に咲く秋萩よ。どうか、この月の間だけは散らないでおくれ。お願いだから、けっして。 歌の意味 この歌は、大和国・跡見(鳥見)山麓に広が…