大和ふるさと手帖〜奈良だより

故郷・大和(なら)のまほろばを紹介します。歴史、風土、寺院、遺跡、古墳。あすかびとを目指して。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」〜赤き伝承、白き息吹、時を斬る酒

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

  • 銘柄:三諸杉 三輪伝承蔵仕込み
  • 土地:奈良県桜井市三輪
  • 酒蔵:三輪伝承蔵(今西酒造)
  • 区分:特別純米酒
  • 原料米:奈良県産露葉風100%
  • 原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
  • アルコール:13度
  • 精米歩合:60%
  • 価格:2,750円(720ml)

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」は、日本酒サミットで5年連続で日本一に輝く奈良県桜井市三輪の今西酒造が手がける地元限定流通酒。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」
原酒とは、もろみを搾った後に「割水(加水)」を一切しない、加水調整前の日本酒。米の旨み、甘み、酸味が凝縮されており、コクがありふくよかな味わいを楽しめる。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

「三輪伝承蔵仕込み」シリーズは、日本最古の神社であり、日本酒発祥の聖地・大神神社の前にある2025年4月に完成した「三輪伝承蔵」で造られる。製法は菩提酛造り(日本最古の仕込み方法)、吉野杉の木桶で造られ、米は奈良県産、酵母も三輪伝承蔵オリジナルの蔵付酵母を使用している。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」は「特別純米」に分類される。「特別純米」とは、米と米麹のみを原料に造られ、精米歩合が60%以下、または特別な醸造方法で仕込まれたもの。

「純米酒」には精米歩合の規定はないが、米をより多く削ることで雑味が減り、よりクリアな味わいになる。どちらも醸造アルコールを加えないため、米本来の旨みやコク、ふくよかな余韻を存分に楽しむことができる。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

ボトルのデザインは、黒き瓶身を包む朱のラベル。そこに描かれた文様は、神代の物語を封じた印章。白く浮かぶ神獣は、三輪山の風を背に、酒の神を讃える。赤は血の色ではなく、命の循環の色。伝承の炎が、静かに燃えている。

今西酒造・みむろ杉の露葉風

 

味わい

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

その一滴は、古代からの息吹を映す鏡。グラスに注げば、液面は銀白の光を宿し、ゆるやかに波打つ。ひと口含むと、舌の上を滑る感触は、氷の上を駆ける風。冷たく、しかし温かい。軽やかなのに重心がある。不思議な重力を帯びた酒だ。

初日は端正で、凛とした男酒。だが一晩置くと、表情がほどけていく。角の取れた甘味が現れ、かすかな苦味が奥行きを添える。鎧を脱いだ武士の微笑のように。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」は、神話の残響を現代の舌に伝える酒。一口ごとに、三輪山の空気が胸を満たし、千年の時が流れ出す。古の神が息づく大和の大地に、今もなお「風」が吹いていることを知る。

今西酒造・みむろ杉の露葉風

 

相性の良い料理

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

  • 餅(醤油):塩気のあとに訪れる透明な余韻。後味を清らかに整える。
  • うどん:昆布出汁と寄り添い、旨味の層を広げる。温かさの中に涼しさがある。
  • 味噌ラーメン:味噌の甘みに続く辛口の切れ味が、見事な対比を生む。
  • ペペロンチーノ:唐辛子の鋭さをやさしく洗い流し、オリーブの香りを残す。
  • 焼き鮭:塩の鋭さを和らげ、米の旨味が鮭の脂を抱く。
  • トンテキ:脂を心地よく洗い流し、余韻に木桶の清香が漂う。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

餅(醤油)は、塩気のあとに訪れる透明な余韻。後味を清らかに整える。うどんは、昆布出汁と寄り添い、旨味の層を広げる。温かさの中に涼しさがある。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

味噌ラーメンは、味噌の甘みに続く辛口の切れ味が、見事な対比を生む。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

ペペロンチーノは、唐辛子の鋭さをやさしく洗い流し、オリーブの香りを残す。

f:id:balladlee:20251026154244j:image
他にも、焼き鮭は、塩の鋭さを和らげ、米の旨味が鮭の脂を抱く。トンテキも脂を心地よく洗い流し、余韻に木桶の清香が漂う。

今西酒造・みむろ杉の露葉風

 

原料米:奈良県産露葉風(つゆはかぜ)

奈良県産の露葉風

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」の原料米は、幻の酒米と呼ばれる奈良県産の露葉風(つゆはかぜ)を100%使用している。奈良県唯一の酒造好適米である。

酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)とは、日本酒造りに特に適した特性を持つ品種の米のことで、酒米(さかまい)とも呼ばれる。

  • 大きな粒(米が砕けにくく、発酵が順調に進みやすい)
  • 心白(しんぱく)と呼ばれるデンプンの塊がある(麹菌が入り込みやすい)
  • 雑味の原因となるタンパク質が少ない
  • 麹菌が繁殖しやすく、発酵を円滑に進める

これらの特徴によって、品質の高い日本酒の製造を可能にする。

露葉風は、昭和38年に「白露」を母、「早生双葉」を父として愛知県で誕生し、奈良県の酒造好適米として登録された。現在では奈良県だけで栽培されている酒造好適米。

露葉風は平地での栽培が難しく生産性も低かったため、栽培が次第に減少し、昭和57年には栽培が途絶え、「幻の酒米」と呼ばれるようになった。

その後、奈良県農業総合センターで栽培が再開され、現在では「風の森」などの銘柄に使用されている。心白が大きく、酸味や苦味を含む複雑なニュアンスと、米の旨みが際立つ。有名な山田錦に比べ、コクがある酒米である。現在では、県内で生産している露葉風の40%を今西酒造が使用している。

今西酒造・みむろ杉の露葉風

 

酒蔵:三輪伝承蔵

奈良県桜井市三輪、大神神社二の鳥居前に2025年4月に誕生した「三輪伝承蔵」は、日本酒の聖地・三輪にふさわしい新しい酒蔵である。今西酒造が立ち上げた蔵は、弥生時代から伝わる「板倉造り」と吉野杉を用いた建築で、参道の風景に調和しつつも杉玉が新時代の幕開けを告げる。内部には吉野杉の木桶が並び、発酵の息吹が漂う空間で、旅人は参拝の途中に立ち寄り、限定酒や角打ちを楽しむことができる。

「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み 露葉風60」

ここで造られる「三輪伝承蔵仕込み」は菩提酛を用いた木桶仕込みの限定シリーズで、米は奈良県産、酵母も蔵独自のもの。アルコール度数は13度と軽やかで、原料米ごとの個性を飲み比べられる。「三諸杉」「みむろ杉」に続く第3のブランドとして位置づけられ、現地直営のみで入手可能である。三輪伝承蔵は、神と酒、人と土地を結び直す場として、伝統と革新を未来へ伝える象徴的な蔵である。

日本酒サミットで1位に輝いた「ディオアビータ」

 

日本酒におすすめのグラス

 
 
 
 

今西酒造の本店

今西酒造の「三諸杉 三輪伝承蔵仕込み」シリーズ

今西酒造の「三諸杉」シリーズ

みむろ杉 ろまんシリーズ

みむろ杉 菩提酛シリーズ

今西酒造の5%の希少ブランド

桜井が誇る三輪そうめん

酒の神様を祀る「活日神社」

日本最古の神社「大神神社」

三輪守神・三輪山