大和ふるさと手帖〜奈良だより

故郷・大和(なら)のまほろばを紹介します。歴史、風土、寺院、遺跡、古墳。あすかびとを目指して。

台湾料理吉味〜台湾の香り、奈良の心、耳成山の麓に灯る赤い提灯

台湾料理吉味

奈良県橿原市、耳成駅から歩いて数分。大和三山のひとつ耳成山の麓に、赤い提灯が並ぶ店がある。その名は「台湾料理 吉味(きちみ)」。地元ではおなじみの人気店だ。藤原京跡や天香久山、「あすかの湯」などからも近く、観光の途中に立ち寄る人も多い。

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店内に入ると、真っ赤なランタンが天井を彩り、異国の空気が満ちている。壁際には紫の花が飾られ、仕切り越しに聞こえる食器の音と中華鍋の響きが、食欲をそそる。どこか懐かしく、活気がありながらも落ち着く雰囲気だ。

桜井にある「カイシンゲン」とよく似ている。経営が同じなのではと思うほどだ。広々とした空間にボックス席が並び、居心地がよい。

この店の特徴は、とにかくメニューの多さにある。しかもどれもボリューム満点で、リーズナブル。ランチセットの種類も豊富で、近隣の会社員や家族連れでいつもにぎわっている。

2025年7月、12年暮らした新宿を離れて桜井に帰郷した。双子の弟に誘われ、奈良を盛り上げるコミュニティ「はじめる会」に参加。その会議の帰りに、弟に連れられて訪れたのがこの「吉味」だった。

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弟が頼んだのは麻婆豆腐。四川風に山椒がきいた辛口だが、旨みを損なわない見事なバランス。辛さの奥に深いコクがある。

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これで台湾塩ラーメンがセットで1,000円とは驚きだ。ラーメンの味はどこか懐かしく、素朴でまっすぐな旨さがある。

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自分が注文したのは、ルーローハン。メニュー表には台湾正字の「滷肉飯」と記されていた。台中で食べたときとまったく同じ表記、そして同じ味だった。八角と醤油が溶け合い、豚肉がとろりとほどける。日本でこの再現度はなかなか出会えない。料理人の確かな腕を感じる。

この日は「はじめる会」の会議のあと、弟と料理を囲みながらこれからの奈良について語った。料理が美味いと、会話も自然と弾む。仲間たちの“基地”のような場所になる予感がする。麻婆豆腐の香り、ルーローハンの甘辛い湯気、そして台湾ラーメンの優しいスープ。この店には、日常の中で旅を感じさせる温度がある。

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台湾料理吉味の中でも屈指の旨さの「海鮮丼」

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きくらげたまご、ムースーロー。もっとおすすめなのが、奥の台湾塩ラー年。これで990円は破格だ。なぜ存在するかわからないソーセージが良い仕事をする。

「台湾料理 吉味」。橿原で、異国の味と奈良のあたたかさが出会う場所だ。

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